歯科治療で起こりうるデンタルショック
皆さんが歯科治療をするときは、ほとんどの患者さんが麻酔や虫歯の治療をしても問題なく終わることと思います。
しかし、歯科では稀に緊急を要する事態が起こることがあります。
歯科での緊急事態!
歯科治療中に具合が悪くなる、麻酔をした後に動悸がする・ふらふらするなどの症状がある患者さんが稀にいます。歯科での緊急対応はどのようなものがあるのでしょうか。
1.デンタルショック
デンタルショックとは、歯科治療中などで痛みがあるのに我慢して治療を進めると突如患者さんが意識を喪失することです。デンタルショックの他にも、神経性ショック、疼痛性ショックなどと呼ばれることもあります。
痛みがあるのに我慢して治療を続けることで血圧や脈拍が上がり興奮状態になります。その状態が長く続くと突然血圧や脈拍が低下し、意識の喪失へと繋がります。歯科治療の半数以上がデンタルショックの事故と言われています。
2.アナフィラキシーショック
アナフィラキシーショックとは、短時間のうちに全身にアレルギー症状の反応がでて、皮膚が赤くなってきたり、かゆみがでたり、最悪の場合呼吸困難に陥ることもあります。
歯科治療で注意が必要なのは麻酔薬です。歯科の麻酔薬でアナフィラキシーショックが起こることは稀ですが、麻酔が初めての小さなお子さんなどはアナフィラキシーショックを起こす可能性がありますので様子を見ながら注意して治療を進めます。
アナフィラキシーショックが起きてしまったらアドレナリン(エピペン・ボスミン)などの筋肉内注射をしたうえで、救急車を呼びます。
以前アナフィラキシーショックを起こしたことのある方は治療前に医師に報告しましょう。
3.局所麻酔中毒
局所麻酔薬は安全性の高いものなので、普通の歯科治療で使用する量は心配ありません。しかし、大量の麻酔薬を投与することで局所麻酔中毒は起こります。(局所麻酔薬約14本)症状としては、めまいや耳鳴り、痙攣、意識障害などがあります。
4.喘息
持病に喘息をもっている患者さんも注意が必要です。歯科材料の刺激臭により発作を誘発してしまうことがあります。また、歯科治療へのストレスから喘息を誘発してしまうこともあります。喘息をおもちの方は発作が落ち着いているときに歯科治療を進めるようにしましょう。
5.過換気症候群
いわゆる過呼吸です。治療に対しての緊張や、ストレスがあると発症することがあります。その他にも、被せものや、金属などの誤飲・誤嚥などにも注意が必要です。
おかしいなと思ったらすぐに医師に相談を!
なにかいつもと違う症状を感じる、体調がすぐれないなどの場合はすぐに医師に相談してください。起こってからでは遅いこともありますので、我慢しないで伝えるようにしましょう。